会社を知ることから、自分の「大事」を見つける

学校・企業・地域と取り組んだ授業やイベントを、現場の様子とともに紹介します。

目次

焼津高校2年生のビジネスインタビュー

2026年5〜7月、焼津高等学校の2年生を対象に、ビジネスインタビューの授業を行いました。ご協力いただいたのは、株式会社関本管工、株式会社松浦スチロール工業所、日本軽金属株式会社 清水工場の3社です。

会社のことを知って終わるのではなく、その出会いから、自分の関心や価値観にも目を向ける。そんな流れを大切にした授業です。

授業の流れ

会社を知ることから、自分の「大事」を見つける

会社を調べ、社員の方にインタビューし、学んだことを発表。その後の振り返りと対話を通して、自分が働く上で大事にしたいことを考えました。

学習の流れ取り組んだこと
前半:会社を知る
1調べる会社について調べ、気になったことや、詳しく聞いてみたいことを質問にまとめます。
2聞く社員の方にインタビューし、具体的な仕事内容や、働く人の思い・人柄に触れます。
3伝える分かったことや、心に残ったことを整理し、自分たちの言葉で発表します。
後半:自分を知る
4振り返る学習を振り返り、何に関心を持ったのか、なぜ心が動いたのかを考え、自分の価値観に目を向けます。
5対話する自分の考えを話し、相手の問いや新たな視点も受け取りながら、働く上で大事にしたいことを言葉にします。 ※今回は企業の方にも対話ワークに参加してもらいました。

会社を知って終わりにしない。
その出会いを、自分の関心や価値観に気づくきっかけにする授業です。

会社を知り、そこで働く人に出会う

会社名や製品名を聞いても、どんな人が、何を考えて働いているのかまでは分かりません。生徒の中にも、会社についてよく分からないことから、就職に対して「どの会社も一緒じゃない?給与で比べるしかないのかな~」と漠然とした不安を感じている子も少なくなかったのではないかと思います。

ただ、実際に会って話してみると、自分たちと同じように悩みながら、工夫し、仲間と力を合わせている人の姿が見えてきます。授業後の振り返りでは、製品への驚きだけでなく、社員の人柄や、仕事に向き合う姿勢についての気づきも見られました。

株式会社関本管工――配管づくりの工夫と、働く人の責任

生徒の振り返りには、最初はパイプを作る仕事だと思っていたけれど、社員の話を聞いて、使う場所や目的に合わせた製作の工夫があることを知った、という記述がありました。材質や角度、向きなどに気を配る仕事から、職人としての責任を感じた生徒もいました。

そこから、ゼロからものを生み出す工程のある仕事に、自分は興味があるのだと気づいた生徒もいます。また、専門的な知識や技能だけでなく、責任感、コミュニケーション、周りの人と協力する姿勢が大切だと学んだ、という声もありました。

配管を手に説明する株式会社関本管工の社員と、話を聞く生徒たち。

株式会社松浦スチロール工業所――身近な素材から、仕事の選択肢が広がる

松浦スチロール工業所とのインタビューでは、発泡スチロールの作り方や、魚箱だけでなく住宅の断熱材などにも使われていることを知った生徒がいました。普段目にしている素材にも、知らなかった用途や工夫があることが、驚きにつながっていました。

製造業について初めて詳しく知った生徒からは、進学を希望しているけれど、就職も視野に入れてみようと思った、という振り返りもありました。会社の明るい雰囲気や、チームで協力する働き方に触れ、自分が働くときにも職場の雰囲気を大切にしたいと考えた生徒もいます。活動を通して会社のみなさんが丁寧に教えてくれたことや、笑顔で話してくれたことへのお礼を、手紙で伝えた生徒もいました。

自己理解のための対話に参加する株式会社松浦スチロール工業所の社長と生徒たち。

日本軽金属株式会社 清水工場――会社を見る視点と、自分の関心

日本軽金属 清水工場との学習を振り返る中では、会社を調べるとき、給料や知名度だけでなく、事故を防ぐ工夫や、長く安心して働ける環境にも注目したい、という気づきがありました。

自動化を進める話が心に残り、自分は効率を大事にしているのだと気づいた生徒もいました。目立たない作業でも誰かのために頑張ることや、裏で支える役割のよさに目を向けた生徒もいました。

日本軽金属株式会社 清水工場の社員と、生徒の対話の様子。

会社を知ることが、自分がどんなことに心を動かされるのかを考えるきっかけになる。生徒一人ひとりの振り返りから、そんな学びが見えてきました。

AIも活用。経験を振り返り、自分の「大事」を言葉にする

企業との出会いで受けた刺激を、自分のこれまでの経験と照らし合わせることも、今回の授業で大切にした点です。

何が好きだったのか。何が得意だったのか。どんな場面で心が動いたのか。毎時間の振り返りを分析するためにAIも活用しました。生徒が10時間かけて毎時間記入した振り返りを学校生徒同意のもと、弊社が準備したAIが価値観の傾向を分析。AIが提示した「あなたは〇〇といった価値観をもっているかもしれません」という言葉も参考にしながら、立ち止まって考え、自分の思いを掘り下げました。イエス・ノークイズで直感で答えたものをベースにしたのではなく、毎時間50分自分と向き合って気づいたことを書いた振り返りをベースにAIが分析しました。記述するときも必ず生徒が書いた内容を引用したので、たしかにそうかもしれない、と共感する生徒も多かったように感じました。

一方で、AIだとどうしても「考える」動作が抜け落ちてしまい、「AIが言うならそうかも~」と全て受け入れてしまう生徒もいます。そうならないように弊社では対話の時間も設け、「AIが○○って言ってきて、たしかに~って思っちゃったんだけど、どう思う?」と生徒同士のレビューが入るようにも準備しました。また、同級生の子に言われるとさらに自信を持って「自分には○○という価値観がたしかにあるな」と腹落ちする生徒も見られました。

単元末の振り返りには、社員とのインタビューを通して、自分は人と話すことが好きだと分かったという記述がありました。一方で、人と関わることは好きだけれど、ずっと話すと疲れるため、一人で取り組む時間もある仕事を調べたい、と考えた生徒もいました。

同じように人と関わることが好きでも、心地よい働き方は一人ひとり違います。新しい仕事や働く人に触れることと、自分を振り返ることを組み合わせたからこそ、まだ言葉にできていなかった価値観が表れたのではないかと感じています。

文化祭や体育祭、修学旅行、企業とのイベントなど、学校にはさまざまな体験があります。ただ、その場で楽しかっただけで、次の活動へ流れていってしまうこともあります。

自分の経験を立ち止まって考える「深化」と、人と対話して新しい見方を得る「多角化」。その時間をつくることで、体験を今後の進路に役立つ気づきへつなげられたことが、私たちにとってうれしいことでした。

先生方の心配と、実践後に見えてきた生徒の姿

先生方からは当初、まだ興味を持っていない会社を調べたり、自分の働き方を対話で考えたりする活動が、生徒には難しいのではないかという心配もありました。

実施後のヒアリングでは、対話ができるか心配していたけれど、生徒が前向きに取り組んでくれたことや、社員との関わりが自分に向いているものを考える機会になったことが伺えました。普段は知る機会の少ない会社について、社員と直接関われたことをよかったと捉える声もありました。

生徒の可能性や視野を広げる活動として受け止めていただけたこともうれしく思います。一方で、個人で考える時間や、対話をさらに掘り下げる時間を確保したい、という意見もいただきました。先生方が生徒を見取り、声をかけてくださったことに感謝するとともに、その声を次の授業づくりに生かしていきます。

今回の授業にご協力くださった3社の皆さま、焼津高校の先生方、ありがとうございました。

短い授業で、これまでの体験を進路の指針へ

多くの高校では、行事や体験活動がすでに充実しており、総合的な探究の時間にも余裕がないと感じています。だからこそ、新しいイベントを増やすことだけでなく、今ある体験をどう生かすかを考えたいと思っています。

今回の実践も踏まえ、これまでの体験を振り返り、必要に応じて新しい仕事や働き方に触れる活動を組み合わせる、2〜6時間程度のキャリア教育の授業を開発しました。

生徒の心に残ったことを言葉にし、対話で見方を広げ、今後の進路を決めるときの指針へつなげる授業です。現在ご案内している「大事ミッケインタビュー」は、全体で約6コマを目安に、自己理解から働く人との対話、振り返りへ進みます。学校の状況に合わせて、時数や活動内容を相談しながら組み立てます。

ご興味のある先生方は、遠方であっても、ぜひ一度お声がけください。今行っている授業や行事を伺い、どんな時間を加えると生徒の学びにつながるか、一緒に考えたいと思っています。

静岡県の先生方に朗報です!

自己理解ワーク2コマを無料で

静岡県内の高校5校限定で、今回行った「ビジネスインタビュー」をコンパクト&充実させた改良版「大事ミッケインタビュー」の導入となる自己理解ワーク2コマを、無料で実施するキャンペーンをご案内しています。

  1. 1コマ目経験から、興味・得意を見つける

    これまでの経験を振り返り、興味・関心や得意なことを見つけます。

  2. 2コマ目価値観を言葉にし、対話で深める

    大事にしたい価値観や理想の働き方を言葉にし、対話で考えを深めます。

対象
静岡県内の高校
募集枠
5校限定
料金
自己理解ワーク2コマ無料
募集期間
2026年9月〜2027年3月末

実施時期はご希望に合わせて調整します。受付状況はお問い合わせください。

まずは2コマから、生徒が自分の「大事」を見つける時間をつくってみませんか。

※弊社サービスを学校の授業内でまだご利用になっていない学校様限定のキャンペーンとなっております。ご了承ください。

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