2026-08-26 焼津高校3年「課題研究」二学期に向けた教員研修
焼津高校で、3年生の「課題研究」を担当する10名の先生方を対象に、二学期に向けた教員研修を行いました。今回の研修で一番大切にしたのは、先生方自身が「課題研究を探究する」ことです。
学校でそろえることと、先生が選ぶこと
最終発表会の形式や発表項目、全体の日程など、学校全体でそろえる部分は共有します。一方で、それ以外まで一つの正しい型にそろえる必要はないと考えています。先生それぞれが「自分はここを大切にしたい」と考え、自分の思いや得意なことを生かして、自分の色を出した授業をつくっていってほしいと思いました。
これまでの研修では、自分が実践してきた事例や、探究学習で大切だと考えているポイントを先生方へ「伝える」ことが中心になりがちでした。今回はそれだけでなく、先生方自身が疑問を持ち、実際に試しながら、自分なりの答えを見つけていくような研修にしたいと考えました。
疑問を出す前に、ルールの難しさを考える
研修では、「疑問づくり」のワークショップを行いました。最初に確認したのは、「できるだけたくさんの疑問を出す」「疑問について話し合ったり、評価したり、答えたりしない」「疑問は発言の通りに書き出す」「意見や主張は疑問に直す」という4つのルールです。

ルールを説明するだけで終わらせず、「どのルールが難しそうか」「なぜ難しいと思うか」をグループで話し合ってもらいました。
活動中、問いに反応して答えそうになった先生が、「あ、そうだった。こうやって反応しちゃダメだったね」と笑いながら、自分たちで気づいて修正する場面がありました。

ルールそのものについて最初に考えてもらったことで、「今は答えを出す時間ではなく、疑問をたくさん出す時間なんだ」ということが、先生方の中で共有されていったように感じました。
誰かの疑問から、次の疑問が生まれる
疑問を出し合う中では、先生によって気になるところが違っていました。ある先生が出した疑問を聞き、別の先生が「確かに、そこも考えないといけない」と気づく。そこからさらに次の疑問が生まれていく。誰かの疑問が別の先生の気づきや疑問につながり、先生同士で考えが広がっていく様子を、とても面白く感じました。
- 「課題研究ってそもそも何なんだろう?」
- 「なぜ課題研究をやる必要があるんだろう?」
- 「学校にとっての課題研究って何なんだろう?」
進め方についての疑問だけでなく、課題研究そのものの意味に関わる疑問が出てきたことも印象に残っています。こうした疑問をその場で解決して終わるのではなく、頭の片隅に置いたまま授業を続けていくことにも意味があると思っています。
先生それぞれの「色」が授業に表れる
二学期の実際の授業を見ていると、先生方それぞれの「色」が少しずつ表れているように感じました。
年次全体では、発表時間を一人8〜10分とすることや、課題設定の背景、設定した課題、実践したこと、課題に対する現段階の自分なりの答えとその理由を発表に入れること、スライドを使うことなどをそろえています。その枠組みの中で、先生方はそれぞれの工夫を取り入れていました。
たとえば、発表に向けて生徒が準備しやすいよう、自分で発表原稿の型をつくっている先生がいました。また、情報収集の場面で、そのテーマの歴史的な背景を知ることも探究を深めることにつながる、と生徒へ伝えている先生もいました。
どちらも学校全体で決めた一つの型ではありません。先生自身が「自分はここを大切にしたい」と考え、それを課題研究の指導へ反映している姿です。とても頼もしく感じました。
「先生も探究する研修」を、もっとつくりたい

今回の研修は、自分自身にとっても学びがありました。自分の実践や、探究学習で大切だと思うことを伝えるだけでなく、先生方自身が「自分は何が気になっているのか」「生徒にどんな力をつけたいのか」「そのために授業で何を試したいのか」と考え、実際に試しながら自分なりの答えを見つけていく。そんな「先生も探究する研修」を、もっとつくっていきたいと思いました。
一方で、今回の研修は最初に全体像を詳しく示さず、「まずやってみる」形で進めました。参加する先生方にとっては、「今日は何を目指して、どんな順番で進み、最後に何につなげるのか」を最初に簡潔に示した方が、安心して取り組めそうだと感じました。次回は、この部分を修正したいと思っています。
先生方が今回生まれた疑問をどこか頭の片隅に置きながら、二学期の授業を進めていく。その中で、先生自身にも「分かった」「面白い」と感じる発見が生まれていけばうれしいです。先生方の探究が、これからどんな授業につながっていくのか。引き続き一緒に考えていきたいです。
